合理的行動と非合理的行動 rational behavior and irrational behavior 2003 5 19
人間は常に、合理的行動をするか。
ギャンブルを例に検証してみる。2,000円をギャンブルに投資してみる。
「宝くじ」
2,000円相当の宝くじを購入する。
たいていは、一番下の賞が2本当選し、200円の収入となる。
この宝くじは、1等が1,000万円となっている。
しかし、1等が当たる確率は、ゼロに近い。
それゆえ、2,000円投資すると、ほぼ間違いなく200円の収入にしかならない。
しかし、1等は1,000万円となっているので、ギャンブル性は極めて高い。
しかも、毎週、宝くじを買い、それを1年間続けたとしても、
やはり、1等が当たる確率は、まだゼロに近い。
「パチンコ」
2,000円相当をパチンコの玉に換える。
555という具合に、3つの数字が揃えば当たりとなるが、
なかなか揃わない。あっという間に2,000円相当の玉は消える。
しかも、数字が揃って当たったところで、数千円相当の玉しか出ない。
宝くじの1等の賞金に比べれば、あまりにも安いが、
しかし、宝くじの1等が当たる確率に比べれば、
パチンコの方が、はるかに数字が揃う確率は高い。
しかも当たったところで、数千円となっている。
ギャンブル性は中程度である。
「競馬」
2,000円相当の馬券を購入する。
7番の馬は今、絶好調で強く、誰に聞いても7番の馬が1着になるという。
横綱級の強さという。1着はほぼ決まりという。
問題は2着になりそうな馬を探すことが困難となる。
そこで、7−1、7−3、7−9、7−11、7−12と馬券を購入する。
結果は、1着7番、2着は、12番だった。
正解は、7−12となった。
配当を計算してみると、収入は1,720円となった。
2,000円投資して、収入は1,720円となった。
意外にギャンブル性が低い。
「検証結果」
(ギャンブル性高い) (中程度) (ギャンブル性低い)
宝くじ パチンコ 競馬
「合理的行動と感覚的行動」
人間は、合理的判断に基づいて、合理的行動をしていない。
なぜ、合理的判断ができずに、感覚的判断をするか。
それは、数学ができないから。
数学的センスがないから、感覚的な判断となりやすい。
しかし、世の中、数学が嫌いな人は、かなり多い。
だから、感覚的行動をしている人が、かなり多い。
それゆえ、合理的行動をする人、経済的人間は、少なそうである。
この感覚的な行動をする人間を科学するには、どうするか。
これは、やはり、心理学を使うしか手はない。
心理学を使って、人間の行動にアプローチする必要がある。
人間の投資行動や購買行動にも、この感覚的な行動が多く見られる。
人間の行動は、心理的な影響を受けて行動している場合が多い。
この心理的行動を分析するのは、机でいくら考えても解答はでない。
街に出て、人間の行動を多く観察することから始まる。